夜中の泰山に登り日の出を拝む

泰山に登るのは夏は夜のほうがいい。泰山は24時間ゲートが開いているので、夜登山をして日の出を拝む登山客も多い。土日に疲れをためない金曜日の夜の登山が良い。チケットには当日有効の文字があるが、日付が変わっても大丈夫なようだ。金曜日の夜はほとんどが学生か少数の地元民しかいない。登山には懐中電灯が必要だけれども、まわりに懐中電灯を持っている人はいくらでもいるので、無くてもそれほど困らないだろう。夜は泰山のゲートである紅門へ行くバスが8時半頃に最終となるので、最終バスに乗ればちょうどいい。木製の登山ステッキは買っていたほうが疲れなくていい。細めの2元のものと太くて少し重めの5元のものがあって、安いので買わない理由はない。泰安の夏は蒸し暑いが、泰山の山頂付近は動いていないと肌寒いので厚手のセーターが必要だ。
入り口から泰山の山頂までは片道約6時間で、夜9時に登山を開始すると、夜中の2時30分か3時頃には頂上に着いてしまうから、途中の中天門などで適当に休んでいて時間を調整してもいい。南天門に至る階段が多くきつい十八盤といわれる場所も、夜は周りが暗く南天門の明かりしか見えないので、却って苦痛にならない。それにひんやりした空気で動いていたほうが却ってちょうどいいぐらいに感じる。泰山の登山ルート沿いにある出店や休憩所はすべて開いていたから、何か食事がしたくなっても困らない。しかし夜の間は、泰山で有名な泰山煎餅でネギを巻いたものは売っていない。南天門に着いても日の出の5時までは2時間半も時間を持て余すことになる。軍隊のコートを10元で貸し出しているのでこれを借りて寒さをしのぐか、10元の夜通し休憩で中に入って少し休憩したほうがいい。椅子を引き並べて寝ていると4時頃に親切にも起こしてくれた。外に出てみると日の出まで1時間くらいあるのに空はもう薄く白みかけていた。外でテントで寝ていた人たちも一斉に起きだして、30分ほどの日の出を拝む地点まで歩く。日観峰と瞻魯台があるが、日の出が目の前に見える瞻魯台のほうがいいかもしれない。
当日は晴天で地平線から顔を出す太陽をはっきり拝むことができた。そのあとは下山することになるが、下りのほうが疲れるので、中天門まで降りてきたら、中天門より下は大して見るものもなく、昼間は太陽が照りつけて、団体旅行客など人で溢れかえるので、中天門から天外村までの中型バス(30元)で一気に下山したほうが楽である。