大理の蒼山に登ってきた

大理の蒼山に登ってきたが半日で見て回れると計算していたところそれどころではなかった。まず蒼山ロープウェイ入口まで行き、入山料30元だけ払い、ロープウェイのほぼ下を通る登山道を登る。登山道と言っても途中からは道とは言いがたい道を通ることになり、山腹に点在する墓場の横目に登ることになる。この斜面からは大理の三塔が眺めることができそれなりに景色がいい。
1時間半ほどしてロープウェイの終点である中和寺に着く。実際には中和寺の横には桃渓や雲遊坊などに行ける道があるのだが、鉄線を張られ通行禁止となっていた。中和寺を見た後、そのすぐ傍にあるハイランド・ゲストハウスを覗こうとしたが営業していないとのこと。仕方なくメインロードである玉帯路を歩き始める。
最初の計画ではロープウェイを全く使わずに入山料30元だけで、西の端にある通感ロープウェイの下を通る山道を降りてきて通感寺の入り口から出る予定でいた。しかし玉帯路自体10キロ以上ありゆっくり歩きながらいけば4、5時間は軽く要する長さだった。途中がけ崩れで鳳眼洞や龍眼洞や七龍女池など見れないスポットがあったりしたが、通感ロープウェイの着く清碧渓や蒼山大峡谷に着いたのは4時頃となっていた。
これから通感寺に出るには清碧渓の渓流を渡らなくてはならない、しかしどう見ても道らしい道はない。通感ロープウェイの係員に聞いた細道の入り口には遭難注意を呼びかける看板が立っていた。道は途中で途切れて向こう岸まで通じる道がどうしても見つからない。時間は午後5時半となり普通ならここでロープウェイを使うのが楽な方法なのだが、下山に50元と聞いて乗るのをやめた。
これが後でやっかいな事になった。ここから最初の中和寺に戻るには最低でも2、3時間は掛かる。しかし考える前に戻る道を歩き出していた。午後5時を過ぎるとすれ違う人間は一人としていなくなった。途中の七龍女池にはチェックポイントがあって自転車も数台置いてあるのだがすべて仕事用で貸し自転車ではないという。仮に借りれたとしてもところどころに大木が倒れていたり残り雪が残っていたりするので、崖から転落する可能性もあった。
途中天龍八部城に下れる登山道があるのだが、運悪くそこに辿り着いたときに2匹の犬に吠えかけられて追い返すうちに、登山道を下る機会も逸してしまった。仮にそこを降りてもゲートが開いているのが確実でなかったため中和寺に戻ったほうが確実と言えた。中和寺に着いた頃にはあたりも暗くなっており、寺も門も全て閉ざされていた。蒼山ロープウェイはとっくに営業終了してした。
不幸中の幸いなことに登山した日は天気の良い満月の日だったため、月の光を頼りに朝来た道を思い起こしながら、脚をつまずきながら墓場を横目に見ながら犬が遠吠えする中を下山した。一日で往復20キロを歩きづめで、上りより疲れる下山で膝を酷使して痛めた。
教訓としては蒼山をすべて歩行で横断しようとすれば、清碧渓を渡るルートを初めから知っている必要があること、知らなければ逆に通感寺方面から入山して道を探しながら、中和寺から下山する方法を取ったほうがいい。いずれにせよ遭難すると捜索料を取られるので、一つのロープウェイと組み合わせた割安チケットを勝った方が賢明といえるだろう。