西安の小吃

西安に来ている。西安では食物に期待していたけれども、名物にうまいものなしで羊肉夾饃にしても肉夹馍にしても、これといって味がしない。回民街近くの老米家では、羊肉夾饃はまずカウンターで料金を払うと2枚のナンを渡されるのでそれを大碗に細かくちぎっていく。ちぎり終わったら大碗をキッチンに預けるとスープと羊肉を乗せたものがテーブルに運ばれてくるしくみとなっている。スープが染込まないのでとにかく細かく細かくちぎっておくのが秘訣。もうひとつの老舗店といわれる樊記臘汁肉(騾馬市店)にしても繁華街にあるというのに人が入っていない。ここには西安人が羊肉夾饃を食べる時必ずと言っていいほどたのむ氷峰ブランドのオレンジジュースさえ置いていない。それに比べて、西大街竹笆市36号にある岐風烙面皮(鐘楼店)はいつも人であふれかえっている。ここでは少し待たされるがアツアツの潼関肉夾饃と擀面皮を合わせて頼むといいだろう。味の薄い肉夾饃と辛い擀面皮の味でうまく調和するから。結局たいした小吃のない西安だが、スーパーマーケットで多分日本から技術を取り入れたと思われる陝西古徳食品有限公司による湯種食パン醇熟を見つけた(6.5元)。高いパン屋でもなかなか満足できるうまい食パンが手に入らない中国で、湯種食パンが食べられるのは貴重だ。