チベット芸術の街である同仁
青海省の西寧からバスで180キロのチベット芸術の街である同仁に来ている。来た日の翌日は、毎年7月に開催される青海湖をめぐる自転車ロードレースである第9回環湖賽(ツアー・オブ・チンハイレイク)の第2区間レースの出発式が行われ、午前10時小学生の音楽隊の演奏のもと、海外からの選手が一斉にスタートした。選手たちは交通規制の敷かれた街道を何巡かしたあと街を跡にした。この区間は環湖賽の中でももっとも区間距離の短いコースだが標高差が1000メートルあり、上りの道を駆け上がらなければならないので選手にとってかなり厳しいコースだ。チベット芸術の街である同仁ではタンカを描く職人が多く住み、寺院も隆務寺や吾屯寺など見どころに事欠かないうえ、高原気候で三伏に入った夏季でも過ごしやすい所だ。吾屯寺は同仁のバスステーションの前に泊っているミニバンで2元で行ける。吾屯寺を見学したあとは、同仁寄りに歩いて1キロの所の横道を入ると、ルンタの翻る丘の上で、谷を渡る風を浴びながら広大な風景を望むことができる。丘から降りて少し行くと、貧しい農村の少年にチベットタンカの描き方を教える美術学校がある。この美術学校は土家族の画家である娘本が創設したもので、中国の中央テレビなどでも幾度か紹介されている。酷暑の敦煌などは避け、夏の避暑地としてまたチベット芸術文化の街として、外国人のいない街で安い金黄河ビール(2元)を飲んで過ごすのが最高だ。