イランが独自のインターネットへ移行へ

オンライン検閲を行うイランで独自のインターネットへ移行する動きが始まっている。国民の11パーセントがインターネットへアクセス出来るイランでは中東に広がった革命をネットを通じつぶさに見ることができたし、ネットを通してイラン核施設を止めるコンピューターウイルス「スタックスネット」の事件があったこともイランの独自ネット移行の緊急性を高めたものと考えられている。中国とロシアなどの取り引きの必要性からイランが完全にインターネットを切り離すことはないとしても、二重ネット体制の方向に同国が動く可能性がある。ミャンマーは昨年10月に政府系企業が制御と検閲を担当する、国内コンテンツにのみアクセス可能な別のネット・システムに移行すると発表しているし、キューバは旅行者や政府当局者が利用する通常のネットと、一般国民用の検閲ネットの2種類のネット・サービスを展開している。北朝鮮も2種類のネットワーク構築に向けた動きに乗り出している。

イラン当局が新たな形態のインターネット検閲に取り組んでいる。自国のサイバースペースを実質的に世界から切り離す、国策インターネットだ。イラン国内外の関係筋によると、同国指導部はこの計画を、ネットのコントロールをめぐる戦いを終わらせる方法と位置付けている。イランはすでに、世界でも最も洗練されたオンライン検閲を行う国の1つであるが、消費者向けのコスト削減策の1つ、およびイスラム道徳律を守る手段の1つとして、国策ネット計画を推し進めている。[...]この当局者によると、国策ネットは当初は通常のネットと並行して使用され、銀行や政府、大企業は通常のネットへのアクセスも持ち続ける。国策ネットは徐々に通常のネットに取って代わる見通しで、それはほかのイスラム諸国についても同様だ、と当局者は語った。

http://jp.wsj.com/IT/node_243311